❖✦✙ 濃密なる至福の果てにある、ほろ苦き深淵 Ⅱ ✙✦❖
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
<p> 一歩踏み込んだ先は、現世の光を完全に遮断した、漆黒の深淵だった。 </p><p> 中世の教会を思わせる尖頭アーチの窓。照明は極限まで落とされ、揺らめく蝋燭の火だけが、深紅のベロアソファに血のような影を落としている。 </p><p> 耳の奥を支配するのは、地下から響く重厚な機械の地鳴り。 それは彼女の絶望の濃度を正確に測るように、客席の四隅に嵌め込まれた黒鉄のスピーカーから、逃げられない「音の檻」となって降り注ぎ始める。 </p>
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