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【53番外】夢の中のパチンコ玉はやわらかい

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/25 📚 シリーズ: 時環遊技場 📝 2,181文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

ChatGPTと一緒に制作した、「時環遊技場」短編集です。 舞台は、未来都市・郊外第9区。昭和の手打ちパチンコから平成中期のCR機までが残る古い遊技場に、人間、ロボット、アンドロイドが集まる。そしてそこでは時々、不思議なことが起こる。ちょっと懐かしくて、少し不思議なパチンコ店の物語。

本文

その日、時環遊技場には、いつもの常連ロボットが来ていた。

遊技を終えたロボットがカウンターへ戻ってくると、店主に声をかける。

「店主さん、昨日さ、変な夢を見たんだよ」

「ほう。どんな夢です?」

「パチンコしてた」

「それは……いつもとあまり変わりませんねぇ」

店主が穏やかに笑う。

「それがさ、玉が全部ゼリーだったんだ」

「ゼリー?」

「そう。透明で、ぷるぷるしててさ。打つと普通の玉みたいに飛んでいくんだけど、ぶつかるたびに、ぷるんって跳ねるんだ」

ロボットは両手を使って、その様子を再現した。

「しかも大当たりすると、玉が全部プリンになるんだ」

「それはまた……ずいぶん美味しそうな遊技台ですねぇ」

「だろ?」

二人が笑っていると、カウンターの片隅に置かれた小さな透明なアクリル容器から、何かがふよんと浮かび上がった。

オイタマちゃんだった。

水のような身体をふわふわ揺らしながら、店主のほうへ近づいてくる。

その中のオイルの球が、キョロ、と動いた。

「おや。オイタマちゃんも聞いていたのですか」

店主が指先を近づけると、オイタマちゃんがぷにっと触れる。

「この子がオイタマちゃん?」

ロボットが身を乗り出す。

「ええ。以前お話ししたでしょう」

「この子もパチンコ玉で遊ぶんだよね」

「ええ」

その言葉を聞いたように、オイタマちゃんはふよんと容器へ戻ると、中にある二つの小さなオイル玉をころんと転がした。

風車がくるりと回る。

「ほら」

ロボットが笑う。

「こいつも玉が好きなんだ」

オイタマちゃんの中のオイル玉が、キョロ、とロボットを見る。そのときだった。

店の入口から、従業員アンドロイドが入ってきた。

「店主、荷物が届いています」

「荷物ですか?」

「以前のデータフード会社からです」

店主が箱を受け取る。

「また新商品でしょうか」

カウンターへ戻り、箱を開ける。

中には、透明なケースが一つ入っていた。

ラベルには、『新商品試作・データ玉』と書かれている。

店主がケースを開ける。中に並んでいたのは――透明で、少しだけ柔らかそうな玉だった。

ロボットが固まる。

「…………」

店主も固まる。

「…………」

二人でケースを見る。

「店主さん」

「はい」

「これ……」

ロボットが一つを指差した。

「俺が昨日、夢で見たやつじゃない?」

店主は玉を一つ取り出し、指先で軽く押してみる。

ぷるん。

「……これは」

従業員アンドロイドが説明書を読む。

「食感再現型データフードです。今回はゼリーをテーマに、弾性と重量感を設定した試作品とのことです」

「正夢だ!」

ロボットが叫んだ。

「正夢ですねぇ」

店主も思わず笑う。

その声に反応したのか、カウンターのオイタマちゃんがふよんと近づいてきた。

水の身体がデータ玉のケースの前で止まる。

中のオイル玉が、キョロキョロと左右を見る。そして、ケースの中のデータ玉をじっと見つめた。

「おや?」

店主が気づく。

オイタマちゃんが、データ玉へ向かってゆっくり近づいていく。ぷにっと、透明な身体がケースに触れる。

すると中のデータ玉が、ほんの少しだけぷるんと揺れた。オイタマちゃんのオイル玉は、そのケースをじっと見つめている。

「気になるようですね」

店主がケースからデータ玉を一つ取り出し、カウンターへ置く。

転がったデータ玉を、オイタマちゃんが追いかける。

オイタマちゃんはデータ玉に身体をくっつけると、まるで自分の仲間を見つけたように、ぷるぷると身体を揺らした。

ロボットが笑う。

「ぷるぷる仲間だ」

「そうですねぇ」

店主も楽しそうに頷く。

そこへ、オイタマちゃんの身体から小さな手がにゅっと伸びた。

「おや?」

ぽんっと、データ玉を一つ、軽く弾く。ぷるん、と玉が転がる。オイタマちゃんが追いかける。

「完全に遊んでますね」

「こいつ、夢の玉を気に入ったんじゃない?」

「かもしれませんねぇ」

しばらくすると、オイタマちゃんはデータ玉を二つ抱えた。

いつものように小さな手を伸ばし、二つの玉をお手玉のように投げ始める。

「おお!」

ロボットが目を輝かせる。

「ゼリー玉のお手玉だ!」

オイタマちゃんは夢中になっている。

右の手から左へ。左から右へ。その様子を眺めながら、店主がふと思い出したように尋ねた。

「そういえば、夢の中ではどうだったんです?」

「何が?」

「大当たりすると、プリンになると言っていましたよね」

「ああ!」

ロボットがデータ玉を見つめる。

「これもプリンになったりして」

店主が説明書を確認する。

「……その機能は、ないようですねぇ」

「そっかぁ」

ロボットが少し残念そうにする。

その横で、オイタマちゃんが二つのデータ玉を、ぽんぽんと投げ続けている。

やがて店主が笑った。

「でも、夢が一つ現実になったのですから、十分面白いではありませんか」

「そうだね」

ロボットも笑う。

オイタマちゃんが二つのデータ玉を高く放り上げる。そして、そのうちの一つがオイタマちゃんの身体に落ちる。

ぷにっ。

「……」

オイル玉が、キョロ。と動いた。

店主が思わず吹き出す。

「おやおや。少し欲張りすぎましたね」

オイタマちゃんは何事もなかったように身体を丸くすると、また二つの玉を小さな手で抱えた。

その姿を見たロボットが、ぽつりと言った。

「……今日、寝たらまた夢に出てきそう」

「今度は何でしょうねぇ」

「巨大なゼリー玉とか」

「それは少し大変そうですね」

店主が笑う。

そのすぐ横では、小さなぷるぷるコンビが、仲良く遊び続けていた。

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作者について

蘇轍

ぱちんこは、「遊ぶための機械」でありながら、「機械そのものを眺めるための機械」でもある。

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