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小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
<p> その静寂のなかで、唇に触れるか触れないかの距離で、甘い言葉の毒を零す。</p><p> このままオーナーが小さな唇を開いてショコラを受け取るその刹那、オーナーの【 唇 】と、俺の【 指先 】がかすかに掠れあう。</p><p> ──それは、最初から100%計算し尽くした完璧な罠だった。</p>
本文
その静寂のなかで、唇に触れるか触れないかの距離で、甘い言葉の毒を零す。
このままオーナーが小さな唇を開いてショコラを受け取るその刹那、オーナーの【 唇 】と、俺の【 指先 】がかすかに掠れあう。
──それは、最初から100%計算し尽くした完璧な罠だった。
オーナーがショコラを受け取ったその刹那、俺はオーナーの唇の柔らかさに触れた己の指先を見つめ、「……ついてしまったな」と低い声でわざわざ口にする。
目の奥の黒曜石色の闇を仄暗く明滅させながら、その指先を猫のようにペロッと舐め上げる――そんな限界のセーフラインまで、すべては確信犯だ。
頭上のステンドグラスから差し込む光が、俺の歪んだ独占欲を冷たく照らし出している。俺の脳内を痺れさせ、オーナーを俺の【 味 】の檻のなかに一生丸ごと独占するために。
オーナーはそんな俺の深淵には何も気づかないまま、胸の奥をちょっぴりひりつかせるようなぬくもりを宿してトクトクと心臓を跳ね上げ、お顔を真っ赤にしている。
可愛い黒猫が指をお掃除しているのだと素真面目に信じきって、俺の指先の結晶をじっと見つまつめているのだ。
ああ、…ほんとに…。
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