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小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/10/13 📚 シリーズ: 『 カフェ・ド・レクリプス 』(Café de l'Éclipse) 📝 598文字 ✅ 全年齢

あらすじ

<p> 従業員たちの個室が並ぶ廊下をまっすぐ突き当たった、最も深奥なる闇の底。</p><p> そこには、神聖なほどの気品を纏って妖艶に明滅している美しい拒絶の障壁――<strong>『開かずの扉の魔法陣』</strong>が佇んでいた。</p><p> 私は、その魔法陣のすぐ手前、冷たい大理石の床の上でピタリと足を止める。</p>

本文

 従業員たちの個室が並ぶ廊下をまっすぐ突き当たった、最も深奥なる闇の底。

 そこには、神聖なほどの気品を纏って妖艶に明滅している美しい拒絶の障壁――『開かずの扉の魔法陣』が佇んでいた。

 私は、その魔法陣のすぐ手前、冷たい大理石の床の上でピタリと足を止める。

 まだ中へ入るような無作法はしない。 ただ、トレイの上から溢れ出る、私のカケラを融かしたこの心地よい香気を魔法陣の隙間へと静かに滑り込ませながら――耳から首筋までを隠しきれない熱量で真っ赤に染め上げ、氷のように激しく硬直していた。

 魂の根底からあの方へ深く深くひれ伏すように、静かにそのお呼び出しの瞬間を待ち続ける。

 ――だが、今夜はまだ、扉の向こうから主(あるじ)の合図は届かない。

 完璧な静寂。遮断された世界。

 紳士の微笑みを張り付けたまま、私のトパーズ・イエローの瞳は、暗闇の中でらんらんと輝いていた。

 それはまるで、主人の許しを前に激しく尾を振りながら、今にも喉笛に噛みつきかねない飢えた犬のそれだ。

 私は、冷たい『開かずの扉』へとゆっくりとお顔を近づけた。唇が木肌に触れるか触れないかの、あまりにも近すぎる距離。

 張り詰めた闇の底に、酷く甘く、低く、熱を帯びた声色を静かに響かせる。

ジェラルド:「――お持ちしましたよ、オーナー。……これ以上、貴方の犬を焦らさないでください」

 その美しい唇から、一滴残さずわたくしの香りで満たして――

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作者について

みまち

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紅茶、珈琲、レモンが好き。【私がニヤニヤする物を置いております】

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