お昼寝のあと、ふわふわをぎゅ〜。——みみ視点
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
……んにゃ。まだ、ねむい。みみはお布団の中で、ごろりと寝返りを打った。
本文
……んにゃ。
まだ、ねむい。
みみはお布団の中で、ごろりと寝返りを打った。
ぽやぽや。
頭の中は、まだ夢の続き。
そんなとき。
もぞ、もぞ……。
誰かが隣にやってきた。
……ん?
銀くんだ。
寝ぼけた銀くんが、みみを見つけると、安心したように近寄ってくる。
そして。
ぎゅうう。
「……んん」
みみのほうも、寝ぼけている。
銀くんが抱きついてきたので、なんとなく抱きしめ返した。
ぎゅ〜。
……あったかい。
ふわふわ。
すりすり。
銀くんは頬を寄せたまま、みみの服をきゅっと握っている。
そのとき、みみの手に、ふわっと柔らかいものが触れた。
……しっぽ。
銀くんの、ふわふわのしっぽ。
みみはぼんやりしたまま、それを両手でそっと包み込んだ。
ぎゅ〜〜。
「……ふわふわぁ……」
寝言みたいな声。
しっぽを抱っこして、ほっぺをすりすり。
ふかふかで、やわらかくて、なんだかとっても気持ちいい。
「……ふふ」
みみは満足した。
銀くんも満足した。
……たぶん。
銀くんは寝ぼけたまま、みみをもう一度ぎゅうっと抱きしめる。
みみも、しっぽをぎゅう〜っと抱きしめ返す。
ぎゅうぎゅう。
ふわふわ。
すりすり。
ふたりとも、言葉はほとんどない。
ただ、あったかいものにくっついている。
やがて、みみの手がしっぽを包んだまま止まった。
銀くんの耳が、ぴこ、と動く。
「……みみぃ……」
小さな声。
「……んー……」
みみは返事をしたつもりだった。
でも、何を聞かれたのかは分かっていない。
銀くんはそのまま、すやぁ。
みみも、しっぽをぎゅ〜したまま、すやぁ。
午後の静かなお宿。
起きている人が見たら、きっと思う。
……このふたり、まだ起きないな。
それでも、ふわふわのしっぽは、みみの腕の中。
銀くんも、みみの腕の中。
ふたりとも、幸せそうに夢の続きを見ていた。