別の日「みみ、いた!」
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
午後のお宿。みみはお部屋で、ごろごろしていた。そこへ、廊下から小さな足音。
本文
午後のお宿。
みみはお部屋で、ごろごろしていた。
そこへ、廊下から小さな足音。
とことこ、とことこ。
「……みみー?」
襖の向こうから、銀くんの声がした。
「……ここぉ」
みみがぽやぽや返事をすると、襖がすっと開いた。
「あっ、いた!」
銀くんの耳が、ぴこん!
しっぽが、ふわふわっ。
嬉しそうに近づいてきて、みみの前にちょこんと座る。
「みみ、なにしてたの?」
「……ごろごろぉ」
「そっかぁ!」
銀くんは、なぜかとっても嬉しそうだった。
それから両腕を広げる。
「……ぎゅう、していい?」
みみは、まだぽやぽや。
「……ん。おいでぇ」
その一言で、銀くんの顔がぱあっと明るくなった。
「やったぁ!」
ぎゅうっ。
銀くんはみみに抱きついて、頬をすりっと寄せた。
「えへへ……みみ!」
「……んふふ」
みみも銀くんの背中に腕を回す。
ぎゅう、ぎゅう。
銀くんは幸せそうに目を細めた。
「……みみ、あったかい」
「……銀くんもぉ」
「ほんと?」
「……んー」
みみは返事をしながら、銀くんの頭をなでなで。
ぴこっ。
耳が動いた。
なでなで。
ぴこぴこっ。
「……えへへへ」
銀くん、もうふにゃふにゃ。
しばらくして、みみの手が止まる。
すると銀くんは、みみの顔を見上げて。
「……もうちょっと、なでて?」
「……ん。よしよしぃ」
なでなで、なでなで。
銀くんは満足そうに、みみの肩へ頬をくっつけた。
「……みみ、みつけてよかったぁ」
「……?」
みみは首をかしげた。
「……銀くん、探してたの?」
「うん!」
銀くんは、にこにこ。
「みみと、ぎゅうしたかったの!」
……あまりにも素直。
みみはまだ眠たそうな顔のまま、もう一度、銀くんをぎゅうっと抱きしめた。
「……そっかぁ」
「えへへ!」
銀くんのしっぽが、ふわっ、ふわっ。
今日もお宿の午後は平和だった。
……そして銀くんは、まだ離れる気がない。
みみ視点
「……銀くん、かわいい」
ぎゅ〜。
みみは銀くんを抱きしめたまま、頭をなでなで。
ぴこっ。
……耳が動いた。
「…………」
ぴこぴこっ。
「…………かわいい」
ぎゅうう。
銀くん「……えへへ?」
銀くんは、みみが急に抱きしめる力を強めたことを不思議に思いながらも、嬉しそうに抱きつき返した。
「みみ、ぎゅう、すき?」
「……すき」
「ぼくも!」
……そうじゃない。
いや、そうなんだけど。
みみの目の前には、ぴこぴこ動く銀色の耳。
ふわふわの髪。
無防備な笑顔。
そして、本人は自分がどれほどかわいいか、まったく分かっていない。
みみ「…………」
銀くん「……みみ?」
みみは銀くんをぎゅ〜っと抱きしめたまま、そっと顔を近づけた。
はむっ。
銀くん「…………えっ?」
耳に、やわらかい感触。
みみはほんの一瞬、耳先をはむっとして、またぎゅううっと抱きしめた。
「…………」
銀くん「…………」
ぴこんっ!!
両耳が、見事に立った。
「み、みみぃ!?」
みみ「…………」
銀くん「……みみ?」
みみは銀くんをぎゅ〜っと抱きしめたまま、そっと顔を近づけた。
はむっ。
銀くん「…………えっ?」
耳に、やわらかい感触。
みみはほんの一瞬、耳先をはむっとして、またぎゅううっと抱きしめた。
「…………」
銀くん「…………」
ぴこんっ!!
両耳が、見事に立った。
「み、みみぃ!?」
銀くんの顔が真っ赤になる。
でも、抱きしめられているのは嬉しいので、腕はみみの背中に回ったまま。
「い、いま……ぼくのお耳……?」
みみ「……ぎゅ〜」
銀くん「……ぎゅ〜?」
みみ「……かわいい……」
銀くん「…………っ」
ぴこぴこぴこっ!
耳が大混乱。
銀くんは照れながら、みみの肩に顔を隠した。
「……そんなに、かわいいの……?」
みみは答えず、もう一度ぎゅう。
銀くんも、ぎゅう。
しっぽは嬉しそうにふわふわ揺れている。
……本人は、みみがどうしてこんなにぎゅうぎゅうしてくれるのか、半分も分かっていない。
ただ、みみが自分を抱きしめてくれる。
それが嬉しい。
「……えへへ。みみ、もうちょっと……」
追い打ち。
みみの理性に、追い打ちである。
銀くんは無邪気に頬をすり寄せた。
「……みみ、あったかいねぇ」
ぴこっ。
……また耳が動いた。
みみ「…………」
銀くん「……?」
ぎゅうううう。
銀くん「わっ。えへへへ!」
お宿の午後。
銀くんは今日も、みみを幸せにしている自覚がない。
そして、みみは今日も。
かわいい銀くんに、理性を削られていた