*――月夜の縁側、まだ知らない気持ち

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/10/27 📚 シリーズ: きまぐれまほろば夜行帖【本編】 📝 483文字 ✅ 全年齢

あらすじ

銀くん視点 「……ここ、座ってもいい?」隣の場所を示した銀くんは、みみの返事を待っていた。

本文

銀くん視点

「……ここ、座ってもいい?」

隣の場所を示した銀くんは、みみの返事を待っていた。

みみが隣に座ってくれたら、きっと嬉しい。

いつもみたいにお話しして、笑って、ときどき甘えて。

それだけでいいはずなのに。

今夜は、なんだか落ち着かない。

「…………」

銀くんはごろんと寝転がりかけて、やっぱり起き上がった。

しっぽを抱えてみる。

もふもふ。

今度は膝の上に置いてみる。

ふわふわ。

それでも、そわそわ。

(……なんでだろう)

みみが近くにいるのは、いつものこと。

りんごとサボンの香りも、さっきからずっとふんわり漂っている。

それが嫌なわけじゃない。

むしろ、すごく好き。

なのに、胸の奥がむずむずして、じっとしていられない。

心は少しずつ大きくなっている。

嬉しい、寂しい、もっと一緒にいたい。

そういう気持ちが、以前よりもはっきりわかるようになってきた。

でも、身体のほうはまだまだ成長途中。

自分の中に生まれた、名前のわからない感覚をどう扱えばいいのか、銀くんにはわからなかった。

「……んんー」

耳が、ぺたん。

しっぽが、ぱたぱた。

そして、またみみを見る。

「……みみぃ」

甘えた声が、夜の縁側にこぼれた。

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作者について

みまち

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紅茶、珈琲、レモンが好き。【私がニヤニヤする物を置いております】

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