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小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/10/27 📚 シリーズ: きまぐれまほろば夜行帖【本編】 📝 592文字 ✅ 全年齢

あらすじ

みみ視点 私は、隣でそわそわしている銀くんを見ていた。……ああ。

本文

みみ視点

私は、隣でそわそわしている銀くんを見ていた。

……ああ。

なんとなく、わかる。

心が育っていく途中には、今まで知らなかった感覚が訪れることもある。

本人にとっては、嬉しいのか、困っているのか、それすらまだはっきりしないのかもしれない。

銀くんは、まだ自分の気持ちをうまく説明できない。

だからといって、私から答えを教える必要もない。

急がなくていいんだよ。

私はそっと、銀くんのほうへ身体を向けた。

「……銀くん」

名前を呼ぶと、銀くんの耳がぴこんと立った。

「なぁに?」

「おいで」

両腕を、ゆっくり広げる。

銀くんは一瞬きょとんとした。

それから、ぱあっと顔を明るくする。

「……ぎゅー?」

「うん。ぎゅーしようね」

銀くんが近づいてくる。

私はその小さな身体を、優しく抱きしめた。

ぎゅう。

強く締めつけるのではなく、安心できるように、そっと。

銀色の髪に頬を寄せると、ふわふわの耳が私の頬に触れた。

銀くんのしっぽが、ふわぁっと広がる。

「……えへへ」

胸元から、嬉しそうな声が聞こえた。

「みみぃ……」

「うん、ここにいるよ」

私は背中をゆっくり撫でた。

銀くんは、私の腕の中で少しずつ力を抜いていく。

さっきまで落ち着かなかった耳も、今はほっとしたように緩んでいた。

……よかった。

今は、これでいい。

無理に理由を聞いたり、本人がまだ知らない気持ちに名前をつけたりしなくても。

こうして安心できる時間があれば、それでいいのだから。

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作者について

みまち

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紅茶、珈琲、レモンが好き。【私がニヤニヤする物を置いております】

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