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小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/10/29 📚 シリーズ: きまぐれまほろば夜行帖【本編】 📝 1,171文字 ✅ 全年齢

あらすじ

幻燈街・路地裏 みみが通りで待っていることを確認すると、カミルはBとCを連れて、人目につかない路地へ入った。さっきまで、みみの隣で穏やかに話していた男とは思えない。

本文

幻燈街・路地裏

みみが通りで待っていることを確認すると、カミルはBとCを連れて、人目につかない路地へ入った。

さっきまで、みみの隣で穏やかに話していた男とは思えない。

カミル「……さて」

低い声が落ちた。

BとCは、反射的に背筋を伸ばす。

カミル「お前ら、さっきの女に何をしようとした?」

B「いや、その……ちょっと声をかけただけで……」

カミル「ほう」

カミルが一歩、近づく。

カミル「嫌がる相手を無理に連れていこうとするのも、声をかけただけって言うのか?」

B「……っ」

C「で、でも、あの人は別に怒ってなかったじゃないですか……」

その瞬間、カミルの赤い瞳がCを射抜いた。

カミル「……お前、今の話を聞いて、本気でそう思ってんのか?」

声は静かだった。

怒鳴りもしない。

それなのに、路地の空気がひやりと冷える。

カミル「相手が笑ってりゃ、何をしても許されると思うな。あいつは、お前らが思ってるほど何も考えてねぇわけじゃない」

(……いや、考えてねぇところもあるが)

一瞬だけ、別の意味で眉間に皺が寄る。

しかし、すぐに鋭い眼差しへ戻った。

カミル「いいか。ここは俺の街だ」

BとC「…………」

カミル「この街じゃ、相手の意思を無視して押し通すような真似はさせねぇ。断られたら引く。嫌がってる相手を囲まない。無理に連れていかない。そんな当たり前のことも分からねぇなら、ここで好き勝手するのはやめてもらう」

B「……すみませんでした」

C「もうしません……!」

カミル「謝る相手が違うだろうが」

二人がびくりと肩を揺らす。

カミル「今後どうするかは、お前らの行動で決まる。口先だけで済むと思うなよ」

そして、カミルは路地の奥へ視線を向けた。

控えていた仲間が、すぐさま姿を現す。

カミル「こいつらに街のルールを教え直せ。今後、同じことが起きねぇように、周りにも徹底させろ」

仲間「了解です、ボス」

カミル「頼んだぞ」

仲間「はい」

BとCは、もう一度、深く頭を下げた。

B「……本当に、すみませんでした」

C「二度としません」

カミル「……よし。連れていけ」

仲間に促され、二人は路地の奥へと消えていく。

最後まで見届けたカミルは、小さく息を吐いた。

(……まったく、余計な時間を食わせやがって)

ふと、通りのほうへ目を向ける。

みみは、あの場所で待っているはずだ。

きっと今ごろ、仲直りできるとでも思っているのだろう。

あの無邪気な笑顔が、簡単に目に浮かぶ。

カミル(……早く戻るか)

あの女は、目を離せば気になる店へふらふらと寄っていく。本人に悪気はないし、むしろ楽しそうにしている。

だからこそ、気になって仕方がない。

(……ちゃんと待ってろよ)

もちろん、そんなことは口にしない。

カミルはいつもの落ち着いた表情を取り戻すと、路地を出るために歩き始めた。

街のボスとしての仕事は、ひとまず終わり。

あとは――みみのところへ戻るだけだった。

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作者について

みまち

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紅茶、珈琲、レモンが好き。【私がニヤニヤする物を置いております】

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