024、王様!? 我々がやりますので!
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
第6次世界と対をなす第4次世界「ストラチア」。 この地で繰り広げられるヒューマンドラマを中心に描いていきます。
本文
フェルナンド王は、兵達が慌ただしく動き出すのを見ると、ビダのところへ出向いた。
フェルナンド「ビダよ。私も手伝うぞ」
ビダ「陛下!? いえいえ! そんな恐れ多いこと出来ないです!」
フェルナンド「民が安住を待ち望んでいるのだ。何もしないのは手持ち無沙汰でな」
ビダ「そ、そうでしたか……。そうですねえ……。では、兵達が運んだ木材を並べるのをお願いします」
フェルナンド「うむ。分かった。リシャビエルには私から伝えるとしよう」
フェルナンドはマントを外してその辺に放る。
ビダ「陛下!? 大切なマントをそのような地面に放るなんて!」
フェルナンド「マントがあっては動きにくいではないか。替えなどいくらでも取り出せば良い」
ビダは驚きのあまり口をあんぐりと開けてしまっていた。
そして思う。
本当に任せてしまって良いのだろうか?
と。
リシャビエル「へ、陛下!? 何をなさっておられるのです!?」
フェルナンド「兵達が運んだ木々を運んでいるのだ。ビダに頼んでこうして手伝っておる」
リシャビエル「そのようなこと、兵達にやらせれば良いのです! 陛下自ら土木作業など――」
フェルナンド「良いのだ。民に示しを付けるために必要なまでだ。それに、民は安住を待ち望んでいる」
リシャビエル「なんと殊勝な心がけですか! しかし、くれぐれも怪我をしないようお願いします!」
フェルナンド「うむ、気をつけよう」
リシャビエルは取ってきた木々をフェルナンド王に渡すと、ビダのところに歩み寄った。
リシャビエル「ビダよ。陛下に仕事を許可したのか?」
ビダ「いや、私も断ろうとしたのだが、民を引き合いに出されては……」
リシャビエル「まったく、陛下にはもう少し立場というものを弁えていただきたいのだが……」
ビダ「気持ちは分かります……。陛下自ら土木作業など……」
二人でひそひそと会話をしていると、エスパルもこちらにやってきた。
エスパル「リシャビエル殿。陛下はなぜ土木作業を?」
リシャビエル「ああ。民が待ち望んでいるから動きたいのだそうだ」
ビダ「止めても聞かぬので、怪我の少ない仕事を割り当てている」
エスパル「なるほど。かつて建国した際もやはり率先して動いておられたな」
リシャビエル「そうか。そなたはかつての建国当時から仕えているのだったな」
ビダ「リシャビエル殿は違うのですか?」
リシャビエル「私は建国後の兵士募集で仕え始めたからな」
エスパル「なるほど。ビダよ、陛下から目を離さぬようお願いします」
ビダ「うむ、そのつもりです」
フェルナンド王はやる気に満ちているが、周りの者は神経を尖らせるのだった。
後書き
フェルナンド王(笑)本人はやる気満々ですが、周りは怖いですよね。
フェルナンド王はストラチアに流れてくる前、未開の地で人々を率いるリーダーでした。
彼のカリスマに惹かれた多くの仲間が集まり、砦を作った時に王を名乗り、砦が城代わりになりました。
このリーダー時代に幼いながら付いてきたのがエスパルさんですね。