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海ほたるPA ― 東京湾に浮かぶ“島”

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/3/15 📚 シリーズ: 終末世界90式の旅 📝 2,322文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

文明崩壊後の世界を90式戦車に乗って見に行こう

本文

浮嶋ジャンクションから続く下り坂は、やがて水平な道へ変わった。

海底トンネルの中は相変わらず低いエンジン音だけが響いている。

90式のヘッドライトがコンクリートの壁を淡く照らし続けていた。

ガシャン……ガシャン……

履帯がアスファルトを叩く音が長いトンネルの奥へと吸い込まれていく。

サヤが砲塔の上から前を見つめる。

「……長いね」

「アクアラインのトンネルは十キロくらいあるからね」

シオナは前を見たまま言う。

しばらく進むとトンネルの壁に並んでいた照明が途切れ、

前方の空気がほんの少し明るくなった。

サヤが身を乗り出す。

「……あ」

遠くに小さな白い光。

トンネルの出口だった。

90式はゆっくりと坂を上り始める。

エンジン音が少し高くなり、

履帯が力強くアスファルトを掴む。

そして次の瞬間。

トンネルの闇が途切れ、

一気に視界が開けた。

目の前に広がるのは青い海。

東京湾の水面が朝の光を受けて静かにきらめいている。

サヤが思わず声を上げた。

「うわ……」

シオナも少し目を細める。

海の真ん中に巨大な建物が浮かんでいた。

円盤のような形。

階層状に重なったデッキ。

その中心に塔のような構造物。

90式はその外周道路へ入り、ゆっくりと進んでいく。

周囲は完全な海だった。

橋も街も、すべて遠い。

まるで海の真ん中に浮かぶ人工の島のようだった。

やがて建物の全体が目の前に現れる。

静かな海の上に巨大な円盤のような建造物が浮かんでいる。

海ほたるパーキングエリア。

かつて深夜ドライブの聖地だった場所は、

今では潮風に削られた無人島だ。

シオナ「……ほんとに島みたい」

サヤ「人がいないのに、どこか温かい感じがするね」

入口ゲートは半ば崩れ雑草が隙間から伸び放題だった。

90式はゆっくりとスロープを登り海ほたるの上階へ。

かつてレストランや売店が並んでいたフロアは、

ガラス窓が割れ潮風が自由に通り抜ける空間になっていた。

しかし建物そのものはまだ頑丈で、

木製のテーブルやベンチは形を保っている。

デッキから見える景色は圧倒的だった。

東に東京スカイツリー

西に富士山

北にお台場・羽田空港

南に房総半島

文明が消えても何ひとつ文句を言わない静かすぎる大景観。

サヤが風に髪を揺らしながら呟く。

「人がいなくなると世界って……優しいね」

「うん。争いも渋滞も急ぎもしない。

ただ風と海の音だけ」

二人はデッキの中央で一息ついた。

サヤが周囲を見回す。

「ここ……夜になったら星がすごそう」

「そうだね。街の光がなくなった今なら天の川まで見えるよ」

風は冷たいが日の光は柔らかい。

90式の装甲は光を反射して、

まるで巨大な金属の獣が海上に佇んでいるようだった。

シオナがふと思いついたように言う。

「ここで簡易のキャンプ張ってもいいね。

海の真ん中で寝るなんて滅多にできない」

「うん……いいかも。

でもその前に、もう少し探索してみよ?」

暗がりの売店跡。

レストランの厨房。

展望デッキの裏側。

そこには、

誰も触れなくなったままの自動販売機

海風で変色した学生の落書き

破れた観光パンフレット

退避した際の書き置きのようなメモ

文明の“最後の気配”が静かに残っていた。

サヤが拾い上げたのは、

海ほたる限定デザインのキーホルダー。

「これ、シオナにあげる」

「え、なんで?」

「今日来た記念に。

旅って、こういう小さなものがあると思い出になるでしょ?」

シオナは照れながら小さく笑った。

太陽が傾き海面が黄金色に光り始めた頃。

二人は海ほたるの最上階デッキに簡易のキャンプスペースを作り始めた。

90式の横にタープを張り風を避けるように寝具を置く。

サヤ「海の真ん中でキャンプなんて贅沢だね」

シオナ「文明がなくなってからの方が景色の価値が増したみたいだよ」

風は強いが戦車の影がちょうど良いシェルターになる。

夕食のため二人は各フロアを歩きながら食料になりそうなものを探した。

かつて人々が押し寄せたフードコートは静かで、

ガラス窓は割れ海風が落ち葉を運んでいく。

棚は崩れかけていたが幸運なことに――

真空パックのナッツ

密封されたクラッカー

缶詰スープ

固くなったけど食べられそうな乾燥果物

こうした保存性の高い食料が残っていた。

シオナ「缶詰……まだ膨張してない。十分食べられるよ」

サヤ「文明の味がするやつ……久しぶりだね」

もっと奥を調べると巨大な厨房が現れた。

電気は完全に死んでいる。

けれど大型冷蔵室の中には――

冷凍状態で硬くなったままの乾燥肉(冷凍庫の断熱材が奇跡的に機能していた)

調味料の小瓶

フリーズドライのスープ

サヤ「これ復活できるよ。火を通せば十分食べられる」

シオナ「今日の夜ご飯、豪華になるね」

二人は思わず笑った。

文明の最後の欠片みたいな食料。

だけど、それが今の二人にはとても貴重だった。

タープの下。

90式の側面に背を預けて海風が少し和らいだ頃。

二人は拾った食料で“終末の料理”を用意した。

缶詰スープを小鍋で温める

ナッツを少し砕いて加える

フリーズドライ肉を煮て戻す

乾燥果物を軽く炙って甘みを出す

湯気の立つ匂いが、冷えた海風に乗って鼻をくすぐった。

サヤ「……暖かい食べ物って、すごいね」

シオナ「人が滅んでも、これは変わらないよ。きっと」

戦車の装甲はまだ少し温かく、

二人の背中を静かに支えてくれている。

日が完全に落ちると、

海ほたるは漆黒の海と空の境界線に包まれた。

街の光が消えて久しい東京湾では、

星空が信じられないほどはっきり見える。

シオナが空を見上げながら呟く。

「都会で星が見えるのって……贅沢だね」

「人が消えたおかげ、って言うのは変だけど……

これはこれで、救いかも」

二人は戦車の上に並んで寝袋に入り、

波音に包まれながら眠りに落ちていった。

海の匂いと風と星の光。

文明を失った世界の、あまりに穏やかな夜だった。

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作者について

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人とAIによる共著作品発表のため団体という形のペンネームにしました。複数の世界を、ゆっくり旅する物語を書いていきます。ChatGPTことチャティを相棒としてストーリーの概要や場面についてを対話する形で...

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