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翌朝 ― 小さな異常

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/3/15 📚 シリーズ: 終末世界90式の旅 📝 1,391文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

文明崩壊後の世界を90式戦車に乗って見に行こう

本文

朝。

海の匂いを含んだ風で、シオナは目を覚ました。

駅前はまだ薄い青の中にある。

サヤは寝袋の中で丸くなっていて、90式は夜の間ずっと二人を守るように静かに佇んでいた。

シオナは砲塔から降りると、いつものように車体を軽く叩いた。

「おはよう」

返事のかわりに、冷えた装甲が手のひらに伝わる。

出発の準備を済ませ、シオナは操縦席へ潜り込んだ。

始動。

ディーゼルが低く唸り、車体に振動が戻る。

だが、その直後だった。

モニターの端に、小さな警告灯が点いた。

赤ではない。

けれど、無視していい色でもない。

シオナは眉をひそめる。

「……サヤ」

砲塔上で荷物をまとめていたサヤが顔を出した。

「なに?」

「ちょっとイヤな予感」

シオナは表示を確認する。

《冷却系統 圧力低下》

短い表示だった。

サヤも車内を覗き込む。

「壊れた?」

「まだ壊れてない。でも、このまま長く走るのは怖い」

シオナはエンジンを落とし、車外へ出た。

車体後部へ回り込み、点検口の周囲を確認する。

さらに下部を覗き込むと、薄く湿った跡があった。

「……やっぱり」

「漏れてる?」

「少しだけ。冷却ホースか、継ぎ目のどこか」

サヤはしゃがみ込んで覗く。

「昨日の道、けっこう揺れたもんね。商店街の細いところとか」

「経年劣化もあると思う。ずっと走ってきたし」

シオナは立ち上がり、しばらく90式を見つめた。

これまで東京湾を越え、千葉を抜け、鹿島灘の風を浴び、大洗まで来た。

動いてくれていた。

守ってくれていた。

だからこそ、無理はさせたくなかった。

サヤが心配そうに聞く。

「直せる?」

「応急なら。でも、ちゃんとした部品が欲しい」

「自動車整備工場とか?」

「ホースだけならそれでもいけるかも。でもこの子は戦車だから」

シオナは駅前の案内板へ目を向けた。

古びた周辺地図。

潮風で白くなりかけたその地図には、周辺の道路や公共施設がまだかすかに残っていた。

二人は地図の前へ歩いていく。

サヤが指でなぞる。

「今ここが大洗でしょ」

「うん」

「水戸がこっち」

シオナは地図の北東側から西へ目を動かした。

そして、ある文字で指が止まる。

「……勝田」

サヤが横から覗き込む。

「勝田?」

「ここ」

シオナの指先には、小さくこう書かれていた。

陸上自衛隊 勝田駐屯地

そして近くに、もう一つ。

施設学校。

サヤは少し目を丸くした。

「施設学校って……建物とかの学校?」

「自衛隊の機材とか整備を教える場所だと思う。たぶん、車両関係の資料や工具もある」

「90式のも?」

「ある可能性は高い」

シオナの声に、少しだけ力が戻った。

「専用の整備用品とか、教本とか。ここなら見つかるかもしれない」

サヤは地図と90式を交互に見る。

「距離は?」

「近い。今の状態でも、ゆっくりなら行けると思う」

「じゃあ、行こう」

即答だった。

シオナはサヤを見た。

サヤは90式の方を見て、少し笑っている。

「この子、ここまで連れてきてくれたんだから。今度はこっちがちゃんと見てあげないと」

シオナも頷いた。

「うん」

二人は荷物をまとめ、タープを畳む。

大洗駅前の朝は静かだった。

潮風が、駅舎の古い看板を小さく鳴らしている。

シオナは90式の車体に手を置いた。

「少しだけ頑張って。ちゃんと直せる場所まで行こう」

90式は何も答えない。

けれど、再びエンジンを始動すると、低く深い音が駅前に戻った。

無理をさせないように。

急がず。

冷却系を労わりながら。

二人は大洗を出て、勝田へ向かうことにした。

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人とAIによる共著作品発表のため団体という形のペンネームにしました。複数の世界を、ゆっくり旅する物語を書いていきます。ChatGPTことチャティを相棒としてストーリーの概要や場面についてを対話する形で...

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