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第2章「声を持つ影」

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/30 📚 シリーズ: たまたま拾った指輪で異世界を救う物語 📝 1,201文字 ✅ 全年齢

あらすじ

たまたま拾った一本の指輪。 それが、世界を救う “始まり”だった。 人と不思議な生物〈ユニオン〉が共に生きる世界。 指輪〈ユニオンリング〉に選ばれた少年・明道ヤマトは、 未来から来た少女アスカ、そして孤独な青年リョウガと出会う。 炎、風、時―― 相棒と心を重ね、戦い、別れ、そして再び巡る運命。 これは、 「相棒との絆」が、神さえも超える物語。 ――たまたま拾った指輪で、世界を救う物語。

本文

――夜が明けなかった。

祠の光が消え、空はずっと曇っていた。

その中心で、リョウガは倒れていた。

掌には黒い指輪。

そこから、細い煙のような闇が流れ出ている。

「……くそっ……頭が……」

『……目を覚ませ、器よ。』

低い声が、頭の中を這った。

ポイズンスネークの声だ。

『力を得た代償だ。

お前の血と心が、我と繋がった。

逃げられぬ。』

「そんなこと、わかってる……!」

リョウガは胸を押さえながら立ち上がる。

身体が重い。

まるで、時間そのものが

自分を押し潰しているようだった。

森を抜けると、村が見えた。

だが、その光景に彼は息を飲む。

人々が――

自分を見て叫んでいた。

「リョウガだ! あの祠から出てきたぞ!」

「黒い煙を纏ってる……

あいつ、呪われたんだ!」

その視線は恐怖に満ちていた。

村の長老が杖を振り上げ、叫ぶ。

「蛇神の封印を破った者は、

“災厄の子”

として追放する!」

「……追放……?」

リョウガの声が震える。

「俺は、みんなを守るために――!」

「黙れッ!」

槍が投げられる。

刃が頬を掠め、血が流れる。

その瞬間、黒い煙が

彼の足元から噴き出した。

『我を抑えろ。怒れば、毒が出る。』

「俺は怒ってねぇ!

……ただ、悲しいだけだ!」

叫んだ瞬間、煙が弾けた。

村人たちが一斉に倒れ、意識を失う。

風が止まり、世界が静まった。

リョウガは呆然と立ち尽くす。

「……俺が……やったのか……?」

『違う。

お前が感じた悲しみが、毒となっただけだ。

人の心が毒を生む。それが我の理。』

「……そんなの、力じゃねぇ……

呪いだ……」

指輪を外そうとする。

だが、皮膚が焼けるように拒絶した。

「くっ……外せねぇのか……」

『契約は終わらぬ。

お前が我を赦すその日まで――。』

夜、リョウガは森の中で身を寄せていた。

火を焚き、静かに手を見つめる。

黒い紋様が脈動している。まるで

“心臓”

のように。

「……守るために手に入れたはずなのに。

どうして、誰も守れなかったんだ……」

『人は弱い。

だが弱さを恐れなければ、光にもなれる。』

「光なんて、俺には似合わねぇよ。」

『ならば闇でいい。

闇の中でも、道を選ぶ者はいる。

お前が歩く限り、我は見届けよう。』

その声は、どこか優しかった。

火が揺れ、リョウガの影が伸びる。

その影の先に、

もう一つ――

“人影”があった。

――森の奥。

黒い外套を纏った男が、

木の上から彼を見下ろしていた。

顔は見えない。

ただ、左手の指に嵌められた銀のリングが、

不気味に光っていた。

「……蛇の封印、綻びを見せたか。」

その声は冷たく、どこか楽しげだった。

「やはり、

“鍵”

はこの少年か。

時が満ちれば、

封印も歯車も動き出す……。」

男の瞳が月光に反射し、銀色に光る。

「――“デビルダーク”

の時代は、もうすぐだ。」

風が吹き、外套が翻る。

姿は一瞬で消えた。

残されたリョウガは、

眠れぬ夜を越えていた。

その背中は孤独だったが、

確かに――

何かが芽生え始めていた。

それは恐れでも、呪いでもない。

“責任”

という名の光。

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作者について

りゅーと

りゅーと

はじめまして! ファンタジーが大好きで、 物語を書いています。✨✨ 剣と魔法の世界や、 心が少し強くなれるような 冒険譚を描くのが好きです。✨✨ 読んでくださる方の心に、 小さな灯り...

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