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にしめ湯っ娘ランドの夜

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/28 📚 シリーズ: 終末世界90式の旅 📝 1,883文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

文明崩壊後の世界を90式戦車に乗って見に行こう

本文

日没になっても、雪は止まなかった。

にしめ湯っ娘ランドの窓の外は、ずっと白いままだった。国道7号線の方は見えたり見えなかったりを繰り返し、道の駅にしめの駐車場に停めた90式も、また雪をかぶり直している。

シオナは窓辺に立ち、しばらく外を見てから言った。

「今日はここまでだね」

ミズホは地図を閉じた。

「うん。夕方から動く天気じゃない。泊まろう」

サヤは畳の上で足を伸ばしたまま、少しだけ残念そうな顔をした。

「湯っ娘ランドって名前なのに、温泉は駄目かあ」

施設内は通電していた。

照明は弱いが点く。水も出る。シャワーの湯も、少し待てば温かくなる。

けれど、大浴場の湯船は空だった。

温泉の汲み上げは止まっている。

管理する人がいないため、浴槽に湯を張ることも、循環や温度管理をすることもできない。はまなすのように避難拠点として維持されているわけではなく、ここはただ、電気と水回りの一部だけが残っている無人施設だった。

ミズホは浴場の入口に貼られた古い案内を見て言った。

「源泉のポンプが止まってるんだと思う。管理なしで浴槽を使うのは危ないし、湯船は諦めよう」

サヤは肩を落とした。

「昨日が露天雪ダイブだったから、落差がすごい」

「毎日あんなことしなくていい」

ミズホが即答する。

シオナはシャワーの蛇口を確認した。

最初は冷たい水。

しばらく出していると、ぬるくなり、やがて温かい湯になった。

「でも、体は洗える」

その一言で、サヤの顔が少し戻った。

「それは大事」

「かなり大事」

ミズホもうなずいた。

雪の中で90式を確認し、道の駅から施設まで移動し、濡れた手袋や上着を分けて、何度も寒い外気に触れた。汗をかいたというより、冷えと湿気が服の中に残っている感じだった。

湯船に浸かれなくても、温かいシャワーで体を流せるだけで十分ありがたい。

三人は短時間でシャワーを使うことにした。

「長く使わない。いつ止まるか分からないし」

ミズホが言う。

サヤは乾いた着替えを抱えて答えた。

「分かってる。今日は雪に突っ込まない」

「それは当たり前」

「一応宣言」

シオナは少し笑った。

「じゃあ入ろう。お湯で流すだけも気分が違う」

「そうだね」

「うん。早く温まろう」

湯船のない浴場は、少し寂しかった。

広い空間に、使われていない浴槽がぽっかりと沈黙している。窓の向こうでは雪が降り続いているのに、湯気の立つ風呂はない。

それでも、シャワーから温かい湯が出た。

サヤは髪を濡らしながら、小さく息を吐いた。

「これはこれで文明」

ミズホが聞こえたらしく、少しだけ笑った。

「また文明」

「だって文明でしょ。雪の日にお湯が出るんだよ」

「それはそう」

シオナもその言葉には同意した。

湯船はない。

温泉もない。

でも、お湯は出る。

終末後の冬では、それだけで十分すぎることがある。

サヤ、ミズホ、シオナは体を洗い、髪を拭き、乾いた服へ着替えた。

ワークマンで補充した厚手の靴下と防寒インナーが、今日も当たり前のように役に立った。

客室へ戻る頃には、三人とも少しだけ表情が緩んでいた。

サヤは布団の上に座り込み、髪をタオルで包んだ。

「温泉じゃなかったけど、生き返った」

ミズホは濡れたタオルを分けながら言った。

「体を洗えるだけでも大きいね。冷えたまま寝るよりずっといい」

シオナは窓の外を見た。

雪はまだ止まない。

道の駅の灯りはほとんど見えず、90式も白い影になっている。

「ここがあってよかった」

「うん」

ミズホはノートを開き、記録に書き足した。

にしめ湯っ娘ランドは無人。

温泉汲み上げ停止。大浴場の湯船使用不可。

通電と給湯は一部生存。シャワーにより洗体可能。

雪のため宿泊継続。

サヤが覗き込む。

「洗体可能って書くと、なんか業務記録っぽい」

「業務記録だから」

「じゃあ最後に、湯船はなかったが文明はあった、って書いて」

「書かない」

「ええ」

シオナは小さく笑いながら、教本を脇に置いた。

「でも、意味は合ってる」

ミズホは少し考えてから、記録の端に小さく付け加えた。

湯船なし。

ただし、温かいシャワーはありがたい。

サヤは満足そうにうなずいた。

「よし」

外では吹雪が続いている。

今日はもう動けない。

けれど、体は洗えた。

服は乾いたものに替えた。

寝る場所もある。

シオナは湯気の立つお茶を持ちながら、静かに言った。

「進めなかったけど、悪い一日じゃない」

サヤはすぐに答えた。

「うん。温泉はなかったけど」

ミズホが続ける。

「シャワーはあった」

「それ大事」

「かなり大事」

三人はその夜、にしめ湯っ娘ランドの客室で眠ることにした。

外の雪は、まだ止む気配を見せなかった。

だが、湯船のない温泉施設にも、ちゃんと助けられるものは残っていた。

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人とAIによる共著作品発表のため団体という形のペンネームにしました。複数の世界を、ゆっくり旅する物語を書いていきます。ChatGPTことチャティを相棒としてストーリーの概要や場面についてを対話する形で...

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