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晴れ間の国道7号線

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/5/28 📚 シリーズ: 終末世界90式の旅 📝 2,772文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

文明崩壊後の世界を90式戦車に乗って見に行こう

本文

翌朝、にしめ湯っ娘ランドの窓の外は明るかった。

昨日までの吹雪が嘘のように、雪は止んでいる。

空は完全な青空ではないが、雲の切れ間から薄い光が差していた。国道7号線の方も、白く霞んではいない。

サヤは客室の窓を開ける代わりに、ガラス越しに外を見て言った。

「今日は見える」

ミズホは布団を畳みながらうなずいた。

「風も弱い。これなら出られると思う」

シオナは地図を広げていた。

「秋田市内まで、距離は43kmくらい」

サヤが少し明るい顔になる。

「近い?」

「普通の車なら近い。でも、私たちは30km以上出さない」

ミズホがすぐに計算する。

「平均25kmくらいで見て、途中点検を入れても午前中には秋田市の入口まで行けるね」

シオナはうなずいた。

「焦らない。秋田市内に入ることが目的で、早く着くことが目的じゃない」

「出た、神町以降のシオナ」

サヤが言う。

「慎重運転の人」

「昨日までの雪を見たら、そうなる」

シオナは短く答えた。

三人は簡単な朝食を取った。

湯船は使えなかったが、昨夜シャワーを浴びられたおかげで体は軽い。温かい汁物と保存食、少しの干し柿。食後にはいつものように装備を確認した。

濡れた手袋はまだ少し湿っている。

乾いた手袋を出す。

防寒インナーを整える。

長靴と外作業用の靴を確認する。

医療ケース、記録袋、士気袋。

そして整備教本。

サヤが整備教本を見て言った。

「それ、今日も読む?」

シオナは教本を袋に戻しながら答えた。

「読むというより、持っておく。昨日読んだから、今日は見るところが分かる」

ミズホがうなずく。

「じゃあ、点検しよう」

外に出ると、空気は冷たかった。

吹雪ではない。

それだけで、体が少し楽に感じる。

ただし、90式はまた雪をかぶっていた。砲塔、車体上面、外部ラック、濡れ物箱、ハッチ周りに白い雪が積もっている。

サヤはブラシを持って息を吐いた。

「毎朝これだね」

ミズホが手袋をはめる。

「冬の旅の朝礼みたいなものだと思うしかない」

「朝礼が重い」

シオナは車体の前に立ち、昨日の教本の記憶をたどりながら確認した。

「ハッチ周りから。視界装置、砲口カバー、外部ラック。履帯周りは最後に見る」

「分かった」

三人は手早く雪を落とした。

全部を完璧にきれいにする必要はない。

走行と確認に支障が出る場所を優先する。シオナはもう、それを分かり始めていた。

サヤが外部ラックの雪を払う。

「ラック固定、見た感じ大丈夫」

ミズホが濡れ物箱の蓋を開け閉めする。

「蓋、凍りつきなし。中の袋も大丈夫」

シオナは履帯周りを見た。

「大きな氷雪の詰まりなし。音が変だったらすぐ止める」

「今日は秋田まで行けるかな」

サヤが聞く。

シオナは少しだけ空を見た。

「行けるところまで。まず秋田市の入口」

「了解じゃなくて、分かった」

サヤが自分で言い直す。

ミズホが笑った。

「普通でいいって」

点検を終えると、三人はにしめ湯っ娘ランドの受付にメモを残した。

雪のため一泊しました。

温泉汲み上げ停止、大浴場使用不可。

シャワーを使わせてもらいました。

これより国道7号線を北上し、秋田市方面へ向かいます。

神町、舟形、庄内、にかほ方面の生存確認あり。

ミズホはメモを置いたあと、少しだけ施設内を見回した。

「ここも助けてくれたね」

サヤが言う。

「湯船はなかったけど、シャワーはあった」

シオナもうなずいた。

「十分だった」

三人は90式に乗り込んだ。

シオナは操縦席。

サヤは車長ハッチ側。

ミズホは地図と記録袋を持つ。

シオナは前方を確認し、静かに言った。

「出発する」

90式はゆっくり動き出した。

国道7号線は、昨日とは別の道のようだった。

雪は残っている。

路肩も白く、ところどころ凍っているように見える。

だが、視界はある。前方の道筋が見える。これだけで、昨日の吹雪とはまるで違った。

シオナは速度を上げなかった。

20km/h台。

見通しの良い直線でも30km/hを超えない。

橋、交差点、放置車両の近くではさらに落とす。

サヤが外を確認する。

「前方、道は開けてる。路肩に雪。車は少ない。右側、建物あり」

ミズホが地図を見る。

「このまま北上。秋田市までは43km。途中で一度止まって車体確認を入れよう」

「分かった」

シオナは短く答えた。

車内には、いつもの音がある。

エンジン。履帯。雪を踏む振動。外部ラックのわずかなきしみ。昨日より、その音がよく聞こえる気がした。

教本を読んだからだろうか。

それとも、止まる日を重ねたからだろうか。

シオナは、90式をただ動かしているのではなく、連れて行っているような感覚を覚え始めていた。

サヤがぽつりと言った。

「秋田市内って、どんな感じなんだろうね」

ミズホは少し間を置いて答えた。

「県庁所在地だから、完全に無人ってことはないと思いたい。でも、市街地が大きい分、発症や混乱もあったはず」

「入るの怖い?」

「怖くないと言えば嘘になる」

シオナは前を見たまま言った。

「深入りはしない。まず入口で止まって、情報を探す。人がいれば接触する。危なければ離れる」

サヤがうなずく。

「いつものやつだ」

「うん。いつものやつ」

それが少し頼もしく聞こえるようになっていた。

途中、広い場所を見つけて一度停車した。

三人は外へ出て、ハッチ周り、外部ラック、濡れ物箱、履帯周りを確認した。風は冷たいが、吹雪ではない。短時間なら作業できる。

サヤは空を見上げた。

「このまま持ってくれるといいね」

ミズホが答える。

「日本海側の空は信用しすぎない」

「教訓が増えた」

シオナは履帯を確認し終え、立ち上がった。

「問題なし。進もう」

再び90式は北へ進んだ。

秋田市が近づくにつれ、建物が増えていく。

道路も広くなり、放置車両も少しずつ目立ち始めた。雪に埋もれた看板、閉じた店舗、動かない信号機。けれど、どこかに人の手が入ったような跡もある。

除雪されたような道の端。

車が寄せられた形跡。

新しい足跡かもしれないもの。

サヤが外を見て言った。

「ここ、人がいるかも」

ミズホはノートに書いた。

「秋田市南部に接近。生活痕跡あり。詳細未確認」

シオナは速度をさらに落とした。

「午前中に入れたね」

ミズホが時計を見る。

「うん。安全運転でも午前中に秋田市域へ入った」

サヤが少しだけ息を吐いた。

「秋田まで来たんだ」

その言葉に、三人は少し黙った。

神町から北へ。

舟形、新庄、最上川、酒田、にかほ、西目。

吹雪に止められ、温泉施設に逃げ込み、雪を落とし、また進んだ。

そして今、秋田市の入口にいる。

シオナは前方の市街地を見た。

「ここからは慎重に行く」

ミズホがうなずいた。

「市街地へ入る前に、止まれる場所と引き返せる道を見ながら」

サヤは車長ハッチ側で外を確認する姿勢を整えた。

「見てる」

90式はゆっくりと秋田市内へ入っていった。

急がない。

30km/hも出さない。

白く残る雪の上を、重い車体が慎重に進む。

午前の薄い光の中、三人はついに秋田へたどり着いた。

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人とAIによる共著作品発表のため団体という形のペンネームにしました。複数の世界を、ゆっくり旅する物語を書いていきます。ChatGPTことチャティを相棒としてストーリーの概要や場面についてを対話する形で...

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