第7話:忍び寄る沈黙
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
AIに小説を書かせたら、最初の読者である私すら行き先を知らない飛行艇の旅が始まった。 一面の青い空と、雲海の向こうに広がる世界。 蒸気機関と飛行技術が発達したこの世界で、小型飛行艇の操縦士として空を飛ぶ青年ユーリは、いつものように仕事をこなしていた。 特別な力も、世界を変える使命もない。 ただ空を飛び、依頼された仕事を終えて帰る――そのはずだった。 だが、ある日の飛行中に起きた出来事を境に、ユーリの日常は大きく変わっていく。 雲海の奥で出会った少女。 父親の残した潜行貨物船。 空と雲の向こうに潜む未知の存在。 そして、壊れた飛行艇で向かう先は、まだ誰にも分からない。 これは、特別な英雄ではない一人の操縦士が、仲間たちとともに空を旅する物語。 どこへ向かうのか。 何が待っているのか。 最初の読者である私自身も、まだ知らない。 そして、この物語が何話まで続くのかも、私には分かりません。 ※本作は、人間がプロットの方向性や世界観を『ふんわり』設定し、本文はAIが執筆する形で制作しています。
本文
「……おい、何か来てるぞ」
漆黒の『深雲』を進むアルゴー号の医務室で、ユーリは包帯を巻かれた肩を押さえながら、ふと足を止めた。
「来てる……? 巡洋船の音か?」
真鍮のヘルメットを抱えたバートンが眉をひそめる。
「いや、違う。エンジン音じゃない……もっと大きくて、ぬるりとした音だ」
重厚な鉄の壁越しに、絶え間なく聞こえていた「雲圧」の音が、急に遠のいていくような不気味な静けさ。
次の瞬間――
グラリ……!
船全体が、まるで巨大な泥の中に引きずり込まれたかのように横揺れした。
「うわっ!?」
ユーリとセシリアは咄嗟に手すりにしがみつく。
丸窓の外、光の届かない漆黒の闇の中を、何か「巨大な真鍮色の何か」が滑っていくのが見えた。光を弾く巨大な鱗のような質感。それが延々と船体を擦りながら通り過ぎていく。
「な……なんだ、今の……!?」
「『雲鯨(アイアン・ホエール)』だ……!」
バートンが顔をしかめ、くわえタバコを強く噛みしめた。
「深雲の最深部に棲む巨大生物さ。めったにこんな浅い層までは上がってこねぇんだが……」
バートンの視線が、セシリアの抱える革バッグ――その中で静かに脈打つ『重力脈動核(グラビティ・コア)』に注がれた。
「こいつの出す微細な振動に惹きつけられて上がってきやがったな。刺激しねぇように、静かに通り過ぎるのを待つしかねぇ」
セシリアはゴクリと唾を飲み込み、バッグを抱きしめる力を強めた。
ドックン……ドックン……。
コアの明滅と、船外を通り過ぎる巨大な影の動きが、奇妙にシンクロしている。
(……待てよ。雲鯨が上がってきたってことは……)
ユーリの頭の中で、長年空を飛んできた勘が警鐘を鳴らし始めた。
「バートンさん。雲鯨が浅い層に逃げてくる原因って、他にあるんじゃないか?」
「あ……?」
「巨大な生物がわざわざ自分の縄張りから移動するのは、もっとデカい何かに追われてるか、棲み処を荒らされた時だろ」
ユーリの言葉が終わるか終わらないかのうちに、ブリッジの伝声管から悲鳴のような声が響いた。
『バートンさん! ソナーに反応! 雲鯨の群れのすぐ真下……深雲の底から、とてつもなく巨大な構造体が浮上してきます!』
「構造体だと!? 軍の巡洋船か!?」
『違います! 巡洋船なんて規模じゃない……! 船体が大きすぎて、ソナーの範囲に収まりきりません!』
「……来たな」
セシリアが青ざめた顔で呟いた。
「ヴァルター提督の旗艦……『シュバルツシルト』よ」
アルゴー号の船体が、下からの猛烈な押し上げ気流によって激しく揺れ始める。
丸窓の外の闇の中に、ゆっくりと、恐ろしいほどの圧迫感をもって「黒い金属の壁」が浮かんできた。
無数の砲門。巨大な装甲板。そして船首に刻まれた、不気味な黒い鷲の紋章。
だが――。
「……撃って、こない?」
ユーリが呟いた。
巨大戦艦シュバルツシルトは、アルゴー号の目と鼻の先でピタリと動きを止め、サーチライトひとつ照らすことなく、ただ「そこにある」だけの巨大な暗闇として沈黙していた。
通信も、威嚇の砲撃もない。 ただ、圧倒的な質量と存在感だけで、アルゴー号の行く手を完全に塞いでいる。
「……なんなんだよ、アイツら。捕まえに来たんじゃないのか?」
ユーリは冷や汗が頬を伝うのを感じながら、操縦桿もない医務室で、生唾を飲み込んだ。
闇の中で、ただお互いの船体だけが軋む音を立てている――。
第7話はここまで!
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