第8話:静寂の罠
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
AIに小説を書かせたら、最初の読者である私すら行き先を知らない飛行艇の旅が始まった。 一面の青い空と、雲海の向こうに広がる世界。 蒸気機関と飛行技術が発達したこの世界で、小型飛行艇の操縦士として空を飛ぶ青年ユーリは、いつものように仕事をこなしていた。 特別な力も、世界を変える使命もない。 ただ空を飛び、依頼された仕事を終えて帰る――そのはずだった。 だが、ある日の飛行中に起きた出来事を境に、ユーリの日常は大きく変わっていく。 雲海の奥で出会った少女。 父親の残した潜行貨物船。 空と雲の向こうに潜む未知の存在。 そして、壊れた飛行艇で向かう先は、まだ誰にも分からない。 これは、特別な英雄ではない一人の操縦士が、仲間たちとともに空を旅する物語。 どこへ向かうのか。 何が待っているのか。 最初の読者である私自身も、まだ知らない。 そして、この物語が何話まで続くのかも、私には分かりません。 ※本作は、人間がプロットの方向性や世界観を『ふんわり』設定し、本文はAIが執筆する形で制作しています。
本文
ゴゴゴゴ……。
暗闇の中、重厚な金属同士が擦れ合うような重低音だけが響いている。
アルゴー号のブリッジ。強化ガラスのすぐ先には、巨大戦艦『シュバルツシルト』の漆黒の装甲壁が立ちはだかっていた。
あまりの大きさに、まるで底なしの崖の前に船を横付けされたような錯覚を覚える。
「……攻撃も通信もなしか。不気味な野郎だ」
老機関士のバートンが、操舵輪を握りしめたまま低く唸った。
「バートンさん、主機関の出力はどうなってる?」
ユーリが痛む肩をかばいながらブリッジへ駆け込み、窓の外の巨大な影を見上げた。
「スクリューは生きてるが、前を完全に塞がれてる。うかつに後退すれば、後ろに潜んでいるかもしれない追撃艇の餌食だ。八方塞がりとはこのことだな」
「……ヴァルター提督は、私たちを『捕らえる』つもりがないのよ」
後方で手元の革バッグを強く抱きしめていたセシリアが、小さく震える声で言った。
「え……? 捕らえないって、じゃあ何のためにこんな巨大な船を出してきたんだ?」
「威嚇……ううん、包囲網の『壁』として使っているの。私たちが焦って自滅するか、コアのエネルギーを暴走させて自滅するのを待っているんだわ」
セシリアが真剣な面持ちでユーリとバートンを見つめた。
「ヴァルターは慎重な男よ。この深雲の中で下手に攻撃を仕掛ければ、万が一にもコアを破壊してしまうかもしれない。だから、私たちが自ら逃げ道を失って降伏するのを待っている……」
「なるほどねぇ。知恵の働くことで」
ユーリは苦笑いしながら、革ジャンから煤けたタバコを一本引っ張り出し、火をつけずにくわえた。
「じゃあ、このままじっとしてたら、そのうち息の根を止められるってわけだ」
「ユーリ、何か手はあるの……?」
「手、ねぇ……」
ユーリはくわえタバコの端をかみ締めながら、視線をブリッジの計器類へと巡らせた。
真鍮製の圧力計、重蒸気の流量メーター、そして音波探知器(ソナー)の針。
ソナーの針は、巨大戦艦の背後――さらに深い深雲の底から、ゆっくりと「別の何か」が近づいている微弱な反応を捉えていた。
「バートンさん。さっきの『雲鯨』の群れ、まだ完全に離れてないよな?」
「ああ、ソナーの端にわずかに影が残ってるが……それがどうした?」
「この巨大戦艦、でかすぎて小回りがきかないはずだ。……それに、あの装甲の暑さじゃ、船内の音波探知器の精度も落ちてるはず」
ユーリの目が、飛行機乗り特有の鋭い光を帯び始めた。
「雲鯨の群れは、コアの音に引き寄せられてた。なら……コアを少しだけ『喋らせて』、あのデカブツの真下を通過させたらどうなる?」
「な……っ!?」
バートンとセシリアが同時に目を見開いた。
「正気か、ユーリ!? 雲鯨をこの至近距離に呼び寄せるなんて、下手をすればアルゴー号ごと押し潰されるぞ!」
「押し潰されるリスクと、このまま干からびるリスク。どっちがいい?」
ユーリはニヤリと不敵に笑うと、セシリアの手元にあるバッグを指さした。
「お嬢さん。コアを毛布から少しだけ顔に出してくれ。……ほんの5秒だけでいい」
セシリアはゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりと結び目をほどき始めた。
闇の中で、青い脈動が再び怪しく光り始める――。
第8話はここまで!
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