第14話:開かずの区画と、古びた真鍮の表紙画像

第14話:開かずの区画と、古びた真鍮

小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品

📅 公開日: 2026/9/18 📚 シリーズ: 『AI作家と私の、ふんわり飛行艇計画』 📝 3,117文字 🤖 AI創作支援作品 ✅ 全年齢

あらすじ

AIに小説を書かせたら、最初の読者である私すら行き先を知らない飛行艇の旅が始まった。 一面の青い空と、雲海の向こうに広がる世界。 蒸気機関と飛行技術が発達したこの世界で、小型飛行艇の操縦士として空を飛ぶ青年ユーリは、いつものように仕事をこなしていた。 特別な力も、世界を変える使命もない。 ただ空を飛び、依頼された仕事を終えて帰る――そのはずだった。 だが、ある日の飛行中に起きた出来事を境に、ユーリの日常は大きく変わっていく。 雲海の奥で出会った少女。 父親の残した潜行貨物船。 空と雲の向こうに潜む未知の存在。 そして、壊れた飛行艇で向かう先は、まだ誰にも分からない。 これは、特別な英雄ではない一人の操縦士が、仲間たちとともに空を旅する物語。 どこへ向かうのか。 何が待っているのか。 最初の読者である私自身も、まだ知らない。 そして、この物語が何話まで続くのかも、私には分かりません。 ※本作は、人間がプロットの方向性や世界観を『ふんわり』設定し、本文はAIが執筆する形で制作しています。

本文

境界域第4潜伏港に朝の光――といっても、重厚な岩盤の隙間から差し込む薄もやの混じった灰色の光だが――が差し込む頃、アルゴー号のデッキにはカンカンという金属打撃音が心地よく響いていた。

「ユーリ、そこ。ボルトの締め、あともう半回転。怪我人に無理はさせんが、手加減してナメさせたら後で泣くのは自分だぞ」

「わかってるよ、バートンさん。……くっ、このスパナ、重すぎるんだよな……」

ユーリは肩に巻き直した包帯の引きつれに顔をしかめつつ、右舷のフレーム補強材にボルトを締め込んでいた。

昏睡から目覚めて数日。まだ激しい運動は主治医(というか、無愛想な港の船医)から止められているが、こうして軽作業で手を動かしている方が、余計なことを考えずに済む。

デッキの端では、エプロン姿のセシリアが、大きな木箱の上に腰掛けて真鍮製のバルブを磨いていた。

ウエス(布くず)に油を染ませ、キュッキュと丁寧に磨く手つきは、ここ数日で随分と様になっている。

「お嬢、ハインツのところへお使いに行ってきてくれないか? 第二機関の圧力を逃がす銅パイプ、予備の3インチ径があるか聞いてきてほしい」

「はい、バートンさん! 3インチの銅パイプですね。行ってきます!」

セシリアは元気よく立ち上がると、スカートの裾を少し持ち上げてタラップを駆け下りていった。

その背中を見送りながら、ユーリは吐息をつくように呟く。

「……たくましくなったな、あいつ」

「お嬢様だからな。守られるだけじゃないってのを、自分なりに証明したいんだろうよ」

バートンは咥えたパイプの煙を吐き出し、視線を船体底部の影……そこに防水シートで覆われて横たわる「それ」へ向けた。

アウラ号の残骸だ。

右翼と、焦げ付いたメインフレームのほんの一部。

あの猛烈な雲底への落下の果てに、奇跡的にアルゴー号のクレーンに引っかかって引っ張り上げた、愛機の「遺骨」のようなもの。

ユーリの指が、無意識にポケットの中の小さなネジを転がす。アウラから外れた部品だ。

「……ユーリ。あのフレーム、どうする?」

バートンの問いに、ユーリはすぐには答えられなかった。

「解体して、アルゴーの補修材に流用するなら今だ。良質な軽合金だからな。……だが、お前がそれを望まないなら、ドックの隅に置いておく」

「……まだ、決められないです。これを壊したら、本当に……アウラが消えちゃう気がして」

「そうか」

バートンはそれ以上追及せず、ユーリの背中をポンと強く叩いた。

「なら、今日はアルゴーの奥……最下層の『開かずの区画』を整理するか。旦那が生前、『ここには手を出すな』と言っていた機材置き場だ。船のバランスをとるためにも、一度中身を改めなきゃならん」

一方、東側ドックの事務所。

セシリアは、巨大な蒸気クレーンの設計図と格闘していたハインツを見つけて声をかけていた。

「ハインツさん! バートンさんから、3インチの銅パイプがあるか聞かれてきました」

「ん? おお、お嬢か。3インチなら第二資材庫の棚奥だ。後で若いのに運ばせるよ」

ハインツはタバコを指に挟み、汗を拭いながら笑った。

そして、セシリアの汚れたエプロンと、手慣れたウエス捌きを見て、ふっと目を細める。

「……フン。顔つきが父親に似てきたな、アーノルドに」

「父に……ですか?」

セシリアが足を止めると、ハインツは懐かしそうに天井の岩盤を見上げた。

「あいつ(アーノルド)も酷い男だったよ。名門の技術者だってのに、机の上の計算に飽き足らず、こんな泥と油の臭う境界域にまで首を突っ込んでさ。『この空の底には、俺たちの常識をひっくり返すカラクリが眠っている』なんて目をしてな」

「父が……境界域に?」

「ああ。アルゴー号に乗って、何度も『大断層』の近くまで潜っていった。あいつが探していたのは、ただの宝じゃねぇ。もっと古い……現代の蒸気機関なんて玩具に見えるような、古代の『気体動力』の遺物だ」

ハインツはそこまで言うと、「喋りすぎたな」と短く息を吐き、セシリアの頭にぽんと手を置いた。

「あいつが船に残したモノ……もし見つけることがあっても、深入りはするなよ、お嬢。アーノルドが何のためにそれ隠していたのか、いつか解るときが来る」

その頃、アルゴー号の最下層・中央格納庫。

ユーリとバートンは、固く閉ざされていた重い鉄扉のロックを解除していた。

蒸気がプシューッと音を立てて抜け、ギギギ……と重い音を立てて扉が開く。

中は、セシリアが幼い頃に見た記憶のある「父の物置」だった。

だが、ライトの光が照らし出したのは、単なるガラクタの山ではなかった。

「なんだ……これ……?」

ユーリは息をのんだ。

そこには、セシリアの父・アーノルドが収集していた無数のパーツが眠っていた。

木箱に収められた、見たこともない複雑なギア機構。現代の技術では不可能なほど精密に削り出された、結晶構造を持つ金属パイプ。

そして壁には、羊皮紙ではなく「硬質ガラス」のような板に青い光で刻まれた、謎の構造図。

「……旧時代の試作機……いや、既存の飛行艇の設計思想と根底から違う」

バートンが、慎重な手つきでガラス板のホコリを払う。

そこに描かれていたのは、一機の「小型機」のシルエットだった。

だが、一般的な蒸気ボイラーを積むスペースがない。代わりに、船体の中央に「球体」を収めるための特殊な枠組み(ソケット)が設計されていた。

「これ……アウラより一回り小さい。だけど、もしこの設計図通りの出力が出るなら……雲海の強風すら力に変えて飛べるぞ……!」

ユーリのパイロットとしての血が、ドクンと跳ねた。

失われたアウラ。そして、目の前にある「見知らぬ翼」の設計図。

まだ、これを形にする技術も、動かすコア(動力源)が何なのかも分からない。アウラの残骸を使うべきなのか、まったく新しい機体として組むべきなのかも。

だが――胸の奥で、小さく火が点いたのを感じた。

「ユーリ、バートンさん! 銅パイプ、ハインツさんが届けてくれるって――」

セシリアが格納庫に降りてきて、二人が見つめる「ガラスの設計図」と古びたパーツの山を目にした。

「これ……お父様の……?」

「ああ。旦那が、誰にも見せずに遺した『未完成の翼』だ」

セシリアはゆっくりと足を踏み入れ、木箱の上に置かれた「あるもの」に目を留めた。

それは、他の精密なメカパーツとは異なり、無造作に転がされていた「黒ずんだ真鍮製の円筒形ケース」だった。

手のひらに乗るほどの大きさだが、表面にはびっしりと繊細な古代文字のような刻印が彫られている。

「これ……小さい頃、父が肌身離さず持っていたケース……」

セシリアが吸い寄せられるように手を伸ばし、その真鍮のケースを持ち上げた。

カチッ。

触れた瞬間、何かのロックが外れたような小さな音が響いた。

ケースの表面の刻印が、微かに――本当に微かにだが、内側から橙色の光を帯びて明滅した。

「……え?」

セシリアが驚いて手を引こうとした瞬間、光はスーッと消え、ただの冷たい真鍮の筒に戻った。

だが、その一瞬の光を見たユーリとバートンは、はっきりと息をのんだ。

「今……光ったか……?」

「……ただの金属ケースじゃないな。中身が何であれ……こいつは動いてやがる」

ハインツが言っていた「父親が探していた古代の遺物」。

そして、この格納庫に眠る「ボイラーのない飛行艇」の設計図。

暗い格納庫の中で、三人は言葉を失ったまま、セシリアの手の中にある小さな真鍮のケースを見つめていた。

潜伏港の波音が、遠くで静かに響いていた。

新しい翼の形も、この筒の中に何が入っているのかも、まだ誰にも分からない。

だが、アルゴー号の底深くで、確かに「何か」が目を覚まそうとしていた。

第14話はここまで!

ジャンル・タグ

, , , ,

作品統計

👁️ 閲覧数: 3 👍 いいね: 2 📚 本棚登録: 0

作者について

風見しず

風見しず

小説を書いている……というより、AIに書いてもらった小説を読んでいます。 世界観や方向性は決めますが、先の展開は私にも秘密。 AIがどんな物語を作っていくのか、最初の読者として楽しんでいます。 ...

👥 フォロワー: 5人

作者ページを見る