016、朱雀の海産物事情
小説投稿サイト「あいぺん」に投稿された作品
あらすじ
ラスティアと対をなす世界、ストラチア。そこで起きた物語。 これは、非日常、日常を描いた、ファンタジーと現代、SF、全てをごちゃ混ぜにした物語です。
本文
朱雀領の生け簀前では、坂下東雲、橘明奈の2人が海産物の管理をしていた。
東雲「明奈さーん、最近新しい魚が増えてるけど、養殖ってそんなに簡単なんですか?」
明奈「そうねえ。この子たちはマナを主食にしてるから、ほっといても勝手に増えてくのよね」
東雲「そうなんですか。通りで明奈さんが餌やりしてるところ見たことないんですね」
明奈「うん。私が管理してるのは、種類分けと逃げ出さないようにするための囲いだけ」
そう言いながら明奈は手早く一匹すくって水槽へ移す。
東雲「大分お魚増えてきましたね。名前分かりますか?」
明奈「市治さんが毎回命名してくれるので、大分分かるようになったね。最近川で獲れたスザクカワジャケ。
海で獲れた物は、スザクジャケ、スザクアカウオが新しい魚ね。前から獲れていた魚としては、スザクダイ、スザクキバウオ。
後は鈴蘭さんが言ってた「タコ」という物を、市治さんがスザククラーケンと名付けていましたね。
後は、スザクトゲウニ、スザクガイ、スザクガニ、スザクエビが魚以外で獲れているわ」
東雲は名前を聞きながら、水槽へスザクカワジャケを移している。
東雲「こうやって見るとかなりたくさん種類が増えましたね。最初はスザクダイ、スザクキバウオ、スザクトゲウニだけだったらしいし」
明奈「鈴蘭さんの功績が大きいわね。航海士として近海の潮流を読んでくれるから気軽に漁場を変えることが出来るわ」
東雲「すごいですよね、鈴蘭さん」
明奈「ね。来たばかりですぐに大活躍」
2人は各家に配るスザクカワジャケの選別を行いながら会話をしていく。
敬三「お、明奈に坂下さんところの東雲ちゃんか! 今日はスザククラーケンを持って来たぞ!」
明奈「わあ! ついにスザククラーケンも養殖するんですね!」
敬三「この前のコリコリした食感がたまらなくてな。また食べたくて捕まえてきたんだ!」
市治「そういえば、生け簀の運用って具体的に何をしてるんだ?」
明奈「各魚の振り分けと逃げ出さないように囲いを作る。これが主な仕事ね。それ以外に各家庭に配る魚の選別もしてるわ」
市治「温度管理とか餌やりはしないのかい?」
明奈「それが、マナを主食にしているので餌やりの必要が全くないんです。温度も適応能力が高く、冷たくても温かくても問題ないわ」
敬三「この世界の魚は争いがないみたいだからな。繁殖ばかりしているようで、漁としてはいつも豊漁だ」
市治「海に出られれば簡単に食料が手に入るのは良いことだな」
明奈「ですね。更に生け簀で育てることで、好きな時に好きな魚が食べられるようになったの、私は好きです」
敬三「それが最高なんだ! 漁の結果に左右されない食生活が、これほど豊かとはな!」
市治「明奈さんが『魚の養殖する』て言ったときは、必要か分からなかったが、今では無くては困るモノになったからな」
明奈「ウフフ、素直な賛辞、ありがたく受け取りますね」
東雲「明奈さんはすごいですね。こうやってお手伝いしてても、手際の良さがすごいですから」
朱雀領では毎日のように魚料理が食卓に並ぶ。
ある時は刺身。ある時は焼き魚。ある時は海鮮丼。
食文化が豊かになり、住人も笑顔が絶えない、そんな平和な一時。
彼らは思う。
この幸せが、いつまでも続きますように、と。
後書き
養殖業では、明奈さんを中心に東雲さんと活動していますね。
また、魚は捕まえる度に市治が命名していました。命名博士市治!
彼らはとても幸せな暮らしをしています。そして、この幸せがいつまでも続くように、と願います。
果たして、この幸せはずっと続くのでしょうか? 今後の展開が気になりますね。