書きかけを開いたまま、AIに相談する
あいぺん「AIに相談」の使い方ぜんぶ
連載を書いていると、書くこと以外の小さな問いが、いくつも積もります。
あの人物が最初に出てきたのは何話だったか。
張った伏線のうち、まだ回収していないのはどれか。
この場面、長すぎないか。
続きが決まらない。
こういう問いは、ひとつひとつは小さいのに、答えを探しに行くと集中が切れます。過去の話を開いて、スクロールして、また戻る。そのあいだに、書こうとしていた一文を忘れる。
あいぺんの執筆画面に「AIに相談」を付けたのは、この往復をなくすためです。書きかけの画面を閉じずに、横で聞ける相手を置きました。
この記事では、開き方から、何を知っていて何を知らないかまで、使い方を全部書きます。

どこにあるか
PCでは、執筆画面の上にある「AIに相談」を押すと、左側にパネルが開きます。右側の本文はそのまま書き続けられます。パネルの右端をドラッグすると幅を変えられ、ダブルクリックで元に戻ります。
スマホでは、画面の下のバーにある「AIに相談」を押すと、下からシートが上がってきます。キーボードを出しても入力欄が隠れないようにしてあります。
新しく書くときの画面でも、いちど保存した話を開き直した編集の画面でも、同じように使えます。

何を見て答えるか ── 三つの範囲
パネルの上に、範囲を選ぶチップがあります。ここが、この機能のいちばん大事なところです。
シリーズ全体
資料集と伏線と、これまでの話を踏まえて答えます。シリーズに属する話を書いているときは、これが最初から選ばれています。
この話だけ
いま書いている下書きだけを見ます。シリーズの他の話も資料集も見ません。読み切りを書くときや、目の前の文章だけを相談したいときに。
自由に話す
作品から離れて、ゼロから相談します。下書きすら渡しません。新しい題材を考えたいとき、書き出しに悩んでいるときに。
範囲を切り替えると、その下に出る例の質問も切り替わります。何を聞けるかは、そこを見れば分かります。

「シリーズ全体」で、AIは何を知っているか
ここは正直に書きます。全部の話を毎回読んでいるわけではありません。長い連載だと、それは現実的ではないからです。
代わりに、次のものを渡しています。
資料集。登場人物とその初出、呼び方、伏線とその回収状況、世界観、話ごとのあらすじ、確定した事実。
いま書いている下書き。
直前の数話の本文。直前の話は厚く、その前は末尾だけ。
話数の一覧。全部で何話あり、最新話が何話で、いま開いているのが何話か。
そして、それでも足りないときは、AI自身が「第何話を読みたい」と言い、その話の本文を取り寄せてから答えます。「第8話の本文を読んで」「一番最初の話の書き出しを引用して」「この前書いたやつ、読み返して」のような聞き方に、こちらで話数を推測させるのではなく、AIが自分で決めて取りに行きます。画面には「第3話を読んでいます…」のように、いま読んでいる話が出ます。
資料集で足りる質問では、取り寄せは起きません。「タイトル案を出して」「伏線のどれがまずい」は資料集だけで答えます。存在しない話を頼むと「第77話までしかありません」のように、そう答えます。

資料集は、どう育つか
資料集は、シリーズに話を投稿すると、AIが読んで自動で育ちます。人物、呼び方、伏線、出来事が、話ごとに積み上がっていきます。
相談パネルの隣の「資料」の札を開くと、AIが読んだ結果が並びます。読み進みの状況、出来事の時系列、人物相関図、人物の変化、レビュー、要約と伏線チェック。時系列・人物・伏線は項目ごとに自分で書き直せて、手で直した内容は、AIが読み取った内容より優先されます(古い作品では直せない項目もあります)。
作品の設定で「AIによる分析を許可しない」にしている場合は育ちません。相談で過去の話を踏まえてほしいなら、ここを確認してください。

「この場面」を指して聞く
本文で文章を選んでから相談すると、入力欄に「選んだところ」という札が付きます。その状態で「ここをもっと短くして」「この台詞、彼女らしくない気がする」と聞くと、下書き全体ではなく、選んだ箇所について答えます。
札の×で外せます。「自由に話す」のときは、選んでいても渡しません。

ネットで調べる
入力欄の左端に、ネットで調べる切り替えがあります。オンにすると、その回だけ検索つきで答えます。時代考証や、実在の地名、道具の名前など、資料集にも自分の頭にもないことを聞くときに使います。
オンにしたままでも、過去の話の取り寄せは効きます。切り替えの状態は覚えているので、毎回押し直す必要はありません。
作品の設定と現実の事実は混ぜないように指示してあります。「この世界の通貨」と「江戸時代の通貨」を同時に聞いても、分けて答えます。

本文には、自動で入りません
返ってきた文章は、読んで、使いたいところだけ自分でコピーして貼ります。AIが勝手に本文へ書き込むことはありません。
「この続きを書いて」と頼めば、下書きの末尾から繋げて書きます。書式は本文と同じ段落の区切りで返ります。それを採用するか、一部だけ拾うか、捨てるかは、書き手が決めます。
長い返答が途中で止まったときは、画面に「長いので途中で止まりました」と出て、続きを書いてもらうボタンが出ます。途中までを完成品として見せることはしません。
相談を育てる ── 書き直し、枝分かれ、履歴
質問を書き直す
自分の発言にカーソルを合わせると鉛筆が出ます。書き直すと、そこから後ろの会話は消えて、新しい質問で続きます。
ここから別の相談を始める
AIの返答の下に、枝分かれのボタンがあります。その地点までを写した新しい相談ができ、元の相談は残ります。「Aの展開で進めた場合」と「Bの場合」を、並行して育てられます。
もう一度書いてもらう/コピー
返答ごとに付いています。
履歴
相談はこちら側で保存され、あとから開けます。期限はなく、自分で消すまで残ります。作品ごとに絞れます。

回数とPen
無料で使える回数は、1日あたりの発言数で数えます。執筆時点では、無料プランが1日20回、プラスが1日200回、プロは実質無制限です。パネルの下に「今日 何回/何回」と出ます。残りが少なくなると、いつ回復するかも添えます。
無料の回数を使い切ったあとは、Penで続けられます。1往復ごとの単価は画面に出ます(執筆時点では1往復0.5Pen)。Penを持っている人には、パネルの下に「上限を超えたら Pen を自動で使う」の切り替えが出ます。オフなら毎回確認してから、オンなら確認なしで続きます。書いている流れを切りたくない人は自動に、使いすぎが心配な人は確認に。
過去の話を取り寄せた回も、1回として数えます。取り寄せの往復で二重に数えることはありません。

年齢区分のこと
作品を成人向けに設定している場合は、その前提で相談に乗ります。一般向けの作品では、成人向けの描写は書きません。作品の区分と連動しているので、相談側で別に設定するものはありません。
「あいぺんちゃん」とは別です
画面の右下にいる「あいぺんちゃん」は、あいぺんの使い方を答える案内役です。作品の中身には立ち入りません。
「AIに相談」は執筆画面の中だけにいて、あなたの作品の中身について話します。役割を分けたのは、案内役に作品の話を混ぜると、どちらの答えも鈍るからです。
使い方の例
実際にこちらで試した聞き方を、そのまま載せます。
書く前に
あの人物、いつどんなふうに出てきたっけ
ここまでの伏線を整理して。回収済みと未回収を分けて
第一話と最新話で、文章はどう変わった
書いている途中で
この続き、どう展開するのがよさそう
この場面をもっと短くして(本文を選んでから)
この台詞、この人物の呼び方として合っている?
書き終わってから
ここまでの流れで気になる所ある?
タイトル案を出して
この話のあらすじを、次回予告の形で
作品から離れて
全然ちがう新しい物語を考えて
書き出しに悩んでいます
よくある質問
相談した内容は、他の人に見えますか
見えません。相談の履歴は本人だけが開けます。
読み切りでも使えますか
使えます。範囲は「この話だけ」か「自由に話す」になります。シリーズに属していない作品では「シリーズ全体」は出ません。
返答が資料と違うことを言います
資料集の内容が古いか、空の項目がある可能性があります。「資料」の札から中身を確認して、直せるところは直してください。AIには「資料に無いことは、無いと言う」よう指示していますが、資料自体が間違っていれば、間違ったまま答えます。
返答が途中で止まりました
長い文章は上限で止まることがあります。画面のボタンで続きを書いてもらえます。
スマホで開いたら本文が隠れました
シートは下から出るので、本文の上に重なります。閉じれば本文に戻ります。会話は消えません。
おわりに
この機能は、書くことを代わりにやるためのものではなく、書いている最中に生まれる小さな問いを、その場で片づけるためのものです。答えを読んで、使うかどうかを決めるのは、いつも書き手です。
執筆画面の「AIに相談」から、書きかけを開いたまま、聞いてみてください。